目的
糖尿病患者の歯周健康において、通常の口腔衛生習慣にピックポケットチップ付きWaterpik™ウォーターフロッサーを追加することの効果を比較しました。
方法
歯周病および1型または2型糖尿病を有する52名の被験者が、3か月間の無作為化臨床試験に参加しました。全被験者は試験開始時(ベースライン)にスケーリングおよびルートプレーニングを受けた後、以下のいずれかに割り当てられました。
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ピックポケットチップ付きWaterpik™ウォーターフロッサーを1日2回の口腔衛生習慣に追加するグループ
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通常の歯磨き習慣を継続するグループ
歯周の健康状態は、臨床的および代謝的なパラメータを用いて評価しました。
結果
Waterpik™ウォーターフロッサーを追加したグループでは、従来の歯周病指標であるプラークバイオフィルム(歯や歯茎に付着する細菌の集合体。除去しないと、歯石や炎症の原因となる)、歯肉炎、プロービング時の出血(歯周プローブで歯茎を軽く触れた際に出血があるかを評価する検査結果)の減少が、通常の口腔衛生習慣を行うグループに比べて優れていました。また、以下の生物学的パラメータの改善も確認されました。
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炎症性サイトカインIL-1BおよびPGE2の血清レベルの低下
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活性酸素種(ROS)のレベルの減少です。ROSは細菌および宿主媒介性の組織破壊経路の一部であり、100以上の疾患の病因に関与するとされています。
用語の解説
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IL-1B(インターロイキン1β):炎症を引き起こすサイトカインで、歯周病や他の慢性疾患に関与。
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PGE2(プロスタグランジンE2):炎症と痛みに関連する脂質メディエーター。歯周病の進行に関与します。
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活性酸素種(Reactive Oxygen Species, ROS):細菌や体内反応が生成する物質で、組織破壊や老化の原因となります。100を超える疾患の発症に関連。
結論
Waterpik™ウォーターフロッサーは、糖尿病患者の歯周健康に対して臨床的および生物学的に有意な改善効果を提供しました。
